悪女は今日、初恋を知る。

「バスタオル、カゴに入れておく」
「ね…………」

 髪が少し濡れ、
 着替え前のかっこいいジャージズボンを穿()き、
 少し筋肉質な上半身だけが露になった(こう)くんと目が合う。

「とりあえず服着てバスタオル取りに行こうかと……」

 服着る途中だったんだ……。

「……あ、さ、先走って、ごめんなさい!」

「いいよ。バスタオル、もらっていいか?」

「ど、どうぞ」
「じゃあ、わたし、すぐ出てくね」

 わたしはそう言って背を向ける。
 すると(こう)くんはわたしの体を後ろからバスタオルで包み込み、そのままぎゅっと抱き締める。
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