無理やり結婚を迫られていたら、助けてくれたのは最愛の元カレでした


階段を上って、ようやく屋上に着いた。

そこにはあの頃と変わらず、青色の錆びた鉄製のベンチがあった。

そのベンチに二人で並んで座って、屋上からの景色を眺める。

「風花。俺は風花に別れを告げられた日から、風花のことを忘れたことはなかった」

「私もです。あの二人からの暴力に耐えられたのも全部、先輩との思い出があったからで、

先輩がいなかったら今頃どうなっていたか…」

「風花からの連絡を待って、肌身離さずスマホを持ってたりしてた」

「私も、先輩はもういないのに、屋上まで先輩の姿を探しちゃったりしてました」

お互いに苦笑して、苦しかった頃を笑い話に変えていく。

「風花、俺はもうお前を手放すことは出来ない。

これまで一緒に居られなかった分、片時も離さず、とことん甘やかすと決めている」

先輩らしい、強引とも思える言葉だが、これは私がもう迷わないように言ってくれているのだ。

「また風花がいなくなるようなことがあれば、俺は今度こそ壊れる自信がある」

「ふふっ、変な自信ですね」
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