夜の帝王の一途な愛
「おい、あゆみさんは三年前に初めて来店した時、俺を指名してくれたと言っていたが、それを含めて、その辺りの記憶がないが、お前知ってるか」

ヒカルはずっと、俺が聞いてこなかったことで、過去のことは封印していた。

あゆみのこと、ヒカルの下で働いていること、もちろん病気のことも……

凌の記憶障害は繰り返される。
三年前に、あゆみから聞いていた。

何度説明しても、記憶障害が起これば、記憶はリセットされる。

不思議なことに、全てを忘れてしまうわけではない。

必ず、あゆみと知り合う前に戻るのである。

だから、ヒカルのことも客のことも覚えている。

あゆみと知り合う前はこの店は凌がオーナーだった。

ヒカルは現在自分がオーナーだと言うことは説明して、凌もそれは納得したようだった。

あゆみは、ヒカルに、凌と自分の関係は説明しないでと言っていたのだ。

だから、子供を流産した時、凌と離婚した。

二人の関係をリセットしたのだ。

凌を忘れようとしたが、忘れられるわけがない。

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