夜の帝王の一途な愛
あゆみは震えている凌の手を握った。

「大丈夫、大きく深呼吸をしてください、何も心配はないですよ」

あゆみが握ってくれた手から、温かい温もりを感じて、凌は落ち着きを取り戻した。

「手の震え、なくなりましたね」

あゆみは凌をギュッと抱きしめた。

「いつも、一人で耐えていたんですか、もし私でよかったら、頼ってください、
前も私が麻生さんの手を握ったら震え、止まりましたよね」

「前も?」

「あの、いえ、その……」

あゆみは慌てて凌から離れた。

凌はあゆみの手を引き寄せ、押し倒した。

凌の唇があゆみの唇を塞いだ。
甘いキス、三年ぶりのキスに蕩けそうになりながら、あゆみは凌の背中に手を回した。

首筋に凌の熱い息がかかる。

「凌、凌」

凌の手は、あゆみの胸の膨らみをとらえた。

あゆみはこの時を三年間待ち続けていた。

凌の中に私の記憶がなくとも、凌が私を認めてくれる限り、何度でも、繰り返しても構わない。

その都度、私を愛してもらえるように頑張る。

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