夜の帝王の一途な愛
また、言い辛い事をはっきり言うのだから
「それはそうですけど」
私は何も言えなくなった。
彼の言い分はいつも正しい。
この時彼の限られた時間で、私との思い出をたくさん作ろうとしていた事など知るすべは無かった。

彼は仕事から戻ると、シャワーを浴びて食事を済ます。
仕事のため、すぐ眠りにつくのだが、最近は私の手を引き寄せ抱きしめる。
彼の唇が私の唇を塞ぐ、すごく長く蕩けるようなキス、次の瞬間、私を抱き上げ彼のベッドへ運ぶ。
「麻生さん、ちょっと待ってください」
「待てない」
彼は私の首筋に唇をあてる、腰のあたりに彼の手が……
まずい、まずいよ~。
「麻生さん、あの~ごめんなさい」
私は彼の手を振り払い、自分の部屋へ逃げ込んだ。
心臓が破裂しちゃう、初めての経験で、しかもかっこいい彼と絶対無理。
ドアを背に呼吸を整えていると、彼がドアを叩いた。
「あゆみ、ごめん、俺、先走りすぎたな、
でも、すごく大好きだから、いい加減な気持ちじゃないよ、機嫌直して、俺が寝るまで側にいてくれないかな」
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