夜の帝王の一途な愛
日を追うごとに彼のキスは濃厚になって行った。
彼の手は私の腰から太腿へ滑って行く。
意識が遠退きそうになりながら、彼の唇は私の首筋から胸へ移って行く。
えっどうしよう。どうしよう、どうすればいいの?
「あの、麻生さん、ごめんなさい」
もう、私ムードぶち壊しだよ。
彼は私の言葉で我に返ったのか、私から離れて大きく深呼吸した。
「ご飯食べようかな」
「いや、もう一回シャワー浴びてくる、気持ちクールダウンさせてくる」
彼は、暫くの間シャワー室から出てこなかった。
ずっとこのままってわけにいかないし、やっぱりちゃんと初めてだから、不安って気持ち話さないとだめだよね。
彼がシャワー室から出てきた。
食事を済ませてから、覚悟を決めて私は話を切り出した。
「麻生さん、あの、お話あるんですけど」
「やっぱり、俺、嫌われた?」
彼は哀しそうな表情を浮かべた。
「違います」
私は慌てて否定した。
「あの、嫌なんじゃなくて初めてだから不安で、経験ないんです、わたし……」
彼は不思議そうな表情で私を見つめた。
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