【更新】雇われ妻ですが冷徹騎士団長から無自覚に溺愛されています
「冗談、冗談。取らないから。安心して食べな?」
「……ジョシュア団長は、お昼ご飯まだなんですか?」

 するとジョシュアはムッと口角を下げ、少し戯けた調子で肩をすくめた。

「いーや。残念ながら君んところの旦那がたっぷり仕事を振ってくれたものだから、ゆっくり休憩してる暇はなくてさ。気分転換に散歩だけしてるってわけ」
「え、あ、えーっと……」

 そこは、すみませんと言うべきなのだろうか。でもランドルフのことをわざわざ「旦那」なんて表現されると、恥ずかしさが上回って何も言えなくなる。

「ちなみに昼飯はちゃんと執務室にあるから」
「あ、はい……」

 そう頷くも、顔の赤みがまだ治らない。
 深呼吸をして体にこもった熱を逃がしていると、腕組みをしたジョシュアが背もたれに体を預けながらニンマリと含み笑いを浮かべた。

「いいねぇ、その顔。新婚さんっぽくて」
「……からかうのはやめてください」
「そう、むくれるなよ。これでも上手くいってるか、心配してたんだ。なにせ、結婚なんて絶対にしないって公言していたあの頑固な堅物が、いきなり結婚したわけだからさ。リーゼちゃん、アイツに困らされたりしてないか?」

 眉尻を下げるジョシュアが冗談で言っているようには思えなかった。
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