【更新】雇われ妻ですが冷徹騎士団長から無自覚に溺愛されています
風を切るように、あっという間に中庭を横断したランドルフは、今は使われていない資料室の扉を開けてそこへ足を踏み入れた。
押し込められるようにしてリーゼも中へ入る。
カーテンが閉められた資料室の中は薄暗い。長い間掃除もなされていないのか埃っぽく、リーゼは小さく咳き込んだ。
壁に取り付けられた本棚の前にはいくつもの木箱が積み上げられていて、隅に置かれた机の上にも本が雪崩を起こしている。
こんな場所に何の用があるのだろう。困惑しながら雑然とした部屋を見回していると、錠が下りる音がした。
ハッとしてリーゼは背後のランドルフを振り返る。
彼は扉を背にして、まるで立ちはだかるようにしてリーゼを見下ろしていた。その双眸は、リーゼの体を芯まで底冷えさせるほどの冷然さを湛えている。
掴まれたままの手首が痛い。
「ジョシュアと何を話していた?」
「な、何って……大したことは話していません。結婚生活はどうかと、気にかけていただいただけで……」
「それで君は何と答えたんだ?夫に乱暴されて困っているとでも?」
「そんな!そんなこと、思ってもいません!」
とんでもないことを言われたのでリーゼが語気を強めて否定すれば、ランドルフは嘲笑うようにフンと鼻を鳴らした。
押し込められるようにしてリーゼも中へ入る。
カーテンが閉められた資料室の中は薄暗い。長い間掃除もなされていないのか埃っぽく、リーゼは小さく咳き込んだ。
壁に取り付けられた本棚の前にはいくつもの木箱が積み上げられていて、隅に置かれた机の上にも本が雪崩を起こしている。
こんな場所に何の用があるのだろう。困惑しながら雑然とした部屋を見回していると、錠が下りる音がした。
ハッとしてリーゼは背後のランドルフを振り返る。
彼は扉を背にして、まるで立ちはだかるようにしてリーゼを見下ろしていた。その双眸は、リーゼの体を芯まで底冷えさせるほどの冷然さを湛えている。
掴まれたままの手首が痛い。
「ジョシュアと何を話していた?」
「な、何って……大したことは話していません。結婚生活はどうかと、気にかけていただいただけで……」
「それで君は何と答えたんだ?夫に乱暴されて困っているとでも?」
「そんな!そんなこと、思ってもいません!」
とんでもないことを言われたのでリーゼが語気を強めて否定すれば、ランドルフは嘲笑うようにフンと鼻を鳴らした。