【更新】雇われ妻ですが冷徹騎士団長から無自覚に溺愛されています
「ハァ……お前、それさぁ……自分がどういう意味で言ってるかわかってんのか?」
「どういう意味も何も、俺が自制できていないだけの話だ」
「いや、まあ、そうなんだけどさ。ほら、なんというか、こう、あるだろ?!」
「は?ちゃんと言語を話せ」

 全く意味を成していない単語を羅列しながら、ジョシュアは身振り手振りを繰り返す。
 
(何が言いたいんだ、コイツは)
 
 胡乱げにジョシュアを見やると、何故か奴の方が呆れたように肩を下げていた。

「……まあ、お前に人間の感情の機微が理解できるわけないか。ガキの頃から兵法書が愛読書だもんな。今までアナスタシアにしつこく付き纏われて、ろくな女と関わってないし。そういう情操が発達するわけないよな。うん、まあ、仕方ない。同情するよ」

 腕を組んだジョシュアが訳知り顔でウンウンと頷いている。
 その表情が癪に触ったのは言うまでもない。何を言いたいのかはわからないが、馬鹿にされていることだけはわかる。

 ランドルフは眉間に深く皺を刻み、顎をそびやかしてジョシュアを見下ろした。その眼差しは、受けた瞬間凍りついてしまいそうなほど冷え冷えとしている。
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