お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
いそいそとポケットの中に手を入れる私は、豆粒サイズのものを複数取り出す。
『さすがに地面に置くのは不味いか』と考えながらハンカチを広げ、その上に下ろした。
「ねぇ、これ何?」
「チョコです」
「はっ?何で?」
「長い話になりそうだと仰っていましたので、糖分補給は必須かな?と」
それに久々の女子会かと思うと、嬉しくて。
何か、こう……準備したかったの。
遠足前の子供のような気分で過ごした前夜を思い出し、私はニコニコと笑う。
が、ルーシーさんは何とも言えない表情を浮かべていた。
『ドン引き』とも言えるその様子に、私は慌てて弁解を口にする。
「あっ、大丈夫ですよ。氷結魔法で温度管理はバッチリですし、結界に包んで持ってきたので衛生面も問題ありません」
「いや、そういう問題じゃないんだけど……まあ、いいや。ありがと」
『ちょうど甘いもの食べたかったところだし』と言い、ルーシーさんはチョコを一つ手に取った。
かと思えば、包装紙を外して中身を口に含む。
「あっ、普通に美味しい」
「それは良かったです」
パッと表情を明るくする私に、ルーシーさんは『これからもよろしく』と言うと、居住まいを正した。
まるで武士のような貫禄さえ覚える風貌で、こちらを見据える。
『さすがに地面に置くのは不味いか』と考えながらハンカチを広げ、その上に下ろした。
「ねぇ、これ何?」
「チョコです」
「はっ?何で?」
「長い話になりそうだと仰っていましたので、糖分補給は必須かな?と」
それに久々の女子会かと思うと、嬉しくて。
何か、こう……準備したかったの。
遠足前の子供のような気分で過ごした前夜を思い出し、私はニコニコと笑う。
が、ルーシーさんは何とも言えない表情を浮かべていた。
『ドン引き』とも言えるその様子に、私は慌てて弁解を口にする。
「あっ、大丈夫ですよ。氷結魔法で温度管理はバッチリですし、結界に包んで持ってきたので衛生面も問題ありません」
「いや、そういう問題じゃないんだけど……まあ、いいや。ありがと」
『ちょうど甘いもの食べたかったところだし』と言い、ルーシーさんはチョコを一つ手に取った。
かと思えば、包装紙を外して中身を口に含む。
「あっ、普通に美味しい」
「それは良かったです」
パッと表情を明るくする私に、ルーシーさんは『これからもよろしく』と言うと、居住まいを正した。
まるで武士のような貫禄さえ覚える風貌で、こちらを見据える。