契約夫婦はここまで、この先は一生溺愛です~エリート御曹司はひたすら愛して逃がさない~【極甘婚シリーズ】
どうしてそんな、心が揺れるような言葉をかけてくれるのだろう。
高鳴る鼓動が安らぎを覚え、それは温かく心地のいい拍動となっていく。
母の体の心配をする私を気遣い、蓮斗さんは常に不安な気持ちに寄り添ってくれた。
金銭的な支援のことだけじゃない。私の心を救ってくれたのだ。
「どうして……私なんかに、そんな……」
「私なんか?」
私を抱きしめる腕に力がこもる。更に体が密着して、蓮斗さんは私の背中を優しくさすった。
「君を知れば知るほど、夢中になっていく。どうしたら、俺に心を開いてくれる?」
私だって、きっと同じだ。
はじめは、いつもと一緒。目を合わすことも、話すこともできれば避けたかった。
半ば強引に関わりを持とうとされたことにも困惑しかなかった。
どこかで逃げるタイミングを窺っているような私だったのに、蓮斗さんはいつも真っ直ぐに私を見て、そして関わってくれた。
少しずつ、彼は今までとは違うかもしれない、心を見せても、許してもいいのかもしれないと、自然と思い始めていた。
今は、自分の感情に戸惑い、複雑な思いを抱いている。
気づかないようにしていた。
でももう、抱き始めた気持ちを無視できない。たとえ、傷付いても……。
「もう……開いてます」
まるで告白のようで、自分自身の発言に鼓動は高鳴りを増していく。
腕の力がわずかに緩み、顔を覗き込まれた。