契約夫婦はここまで、この先は一生溺愛です~エリート御曹司はひたすら愛して逃がさない~【極甘婚シリーズ】


 私の知らない間に、蓮斗さんが我が家の抱える借金まで返済してくれていたこと。

 私が抱える問題は、自分の問題でもあると言ってくれたけれど、それは契約結婚をして夫婦になったからだ。

 それでも、私のことを、私の事情を、気にかけて解決しようと動いてくれたことは嬉しかった。その気持ちだけでもう十分。


「本当に、嬉しかったんです。かけてもらった言葉も」

「それなら、素直に受け入れたらどうだ?」


 蓮斗さんの言葉に、はっきりとした声で「いえ」と答える。


「支払いは必ず、今まで通り、立て替えてくださった蓮斗さんにお返ししたいと思います。それが、あなたの優しさに応える唯一の方法だと思うから」


 じっと彼の目を見つめ、揺るぎない想いを伝える。

 互いに真剣な面持ちで数秒見つめ合うと、蓮斗さんは気が抜けたようにふっと表情を緩めた。


「参ったな。澪花には負けたよ」


 蓮斗さんは不意に私の手を取り、そのまま引き寄せる。

 あっと思った時には彼の腕の中に包囲されていた。


「わかった。澪花の気持ちは尊重する。でも、忘れないでほしい。俺はこれから、澪花の一番の理解者になるし、いつだってなにがあっても君を守っていくと決めている。だから、ひとりで抱え込まないでくれ」

< 131 / 199 >

この作品をシェア

pagetop