契約夫婦はここまで、この先は一生溺愛です~エリート御曹司はひたすら愛して逃がさない~【極甘婚シリーズ】


「毎年この景色は目にするけど、こうして澪花と見るのは格別だな」

「そうですね。ほんと、綺麗……」


 ちらりと、桜を見上げる蓮斗さんに目を向ける。

 満開の桜をバックにした彼の整った横顔につい見惚れていると、私の視線に気づいた蓮斗さんは柔らかい表情で私を見下ろした。

 きゅっと胸が締め付けられる。

 急激に涙腺が緩んできて、慌てて顔を伏せた。

 まだ、このままでいたい。このまま、時間が止まってくれたら、どんなにいいだろう。

 でも、現実を突きつけるように、頭の中でお義母様の言葉が蘇る。


『あなたの家柄では、うちの橘を背負う蓮斗のパートナーとしては迎えられないと、そういう話をしているのよ』


夢は、ここまで。いつまでも、夢見る少女ではいられない……。


「蓮斗さん」


 櫻坂も中盤を越えて、人通りもいつの間にか落ち着いてきている。

 繋がれている手を、私の方からそっと離した。


「婚姻関係を、解消したいんです」

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