まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 ナビーシャの発した風の魔術は、ミノタウロスの腕を一気に切断し、そのまま喉に食い込む。頭が不自然な角度にぐらりと折れたら、ミノタウロスの口から怒りの咆哮(ほうこう)が上がった。
 こちらに向かってもう一歩踏み出す。だが、そこまでだった。
 大きく身体が揺れて、そのまま横倒しに地面に倒れこむ。

「……ふぅ」

 ナビーシャの背中から下りて、テティウスは額の汗を拭った。テティウスは、ほぼほぼ乗っていただけだが気分の問題だ。

「ねえねえねえ、大丈夫? こんなところでこんなちっちゃな子が何やってるの?」
「ぼくちっちゃくないよ」
「ちっちゃいでしょう!」

 テティウスに駆け寄ってきたのは、淡い色の金髪を短く切り揃えた少女だった。耳が横に長く普通の人のものとちょっと違う。
 革の鎧(よろい)で上半身を覆い、背中に弓を背負っていた。
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