まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 イヴェリアのことは領主家のお嬢様として知っている人も多い。「イヴェリア様!」「お嬢様!」と声をかけられる度に、イヴェリアは満面の笑みで手を振った。
 そうしながら、広場の端まで来た時――少し離れたところから悲鳴が聞こえてきた。そちらに目をやれば、慌てたように走り去る子供が見える。

「イヴちゃんをお願いっ!」

 駆けつけてきた伯爵家の護衛にイヴェリアを託す。テティウスが悲鳴の方に走ろうとしたら、伯爵家の護衛が素早くテティウスを抱え上げた。

「殿下も避難を!」
「ぼくあっちにいかないと!」
「アタシとテティが行く! アンタ達はついてきなさいな!」

 ナビーシャがすかさず護衛の腕に爪を立て、手が緩んだすきにテティウスは飛び降りた。

「きしさん、ごめんね!」

『ここで大きくならない方がいいだろうから、アタシが魔術で手伝うからね!』

「わあ!」

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