まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 伯爵のその判断を、王家の子供達も文句なく受け入れた。
 駄々をこねるのを一番懸念されていたのはテティウスだろうが、そもそもテティウスがそうした方が安心安全だと思っているので、駄々はこねない。
 伯爵家の人間がそう判断したのを、テティウスがひっくり返す必要はまったく感じられなかった。テティウスがどう行動するかは別問題だけれど。

 夕食を終えれば、子供達はもうおねむの時間である。
 疲れたと早めに寝室に引き上げたテティウスは、大きくなったナビーシャの背中に乗った。

「ナビ子しゃんがいてくれるからあんしんだねぇ」
「当然でしょ? アタシは最強なんだから。じゃあ、行くわよ!」
「おー!」

 バルコニーに出て、そこからふわりと空に舞い上がる。暗闇の中に、ナビーシャの黒い毛皮は消え失せてしまった。下から見ても、ナビーシャの存在に気づく者はきっといないだろう。

「こっちね!」
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