まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 ふわりとナビーシャが降り立ったのは、それなりに立派な教会の側だった。いや、立派だったのは、過去のことなのだろう。
 広い敷地を囲む塀は崩れているし、敷地内にはゴミがあちこち積み上げられている。
 草はぼうぼうで、今にもお化けが出てきそうな雰囲気だ。
 教会に付属している建物には、二か所、明かりがついていた。ナビーシャはふわりと扉の前に降り立つと、前足を上げて扉を叩いた。
 中の人が出てくる前に、テティウスはするりと背中から滑り降りる。

「はーい、今行きますね」

 姿を見せたのは、修道女の衣服に身を包んだ年配の女性だった。五十代、六十代だろうか。
 優しそうな目で、テティウスを見下ろしていた。

「あら……あなた、どうしてここに来たの?」

 女性が出てきた時には、ナビーシャは小さくなっていた。テティウスの肩の上に乗って、尾をゆらゆらと揺らしている。

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