まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「さいふとられたひとがいるから、かえしてくれないかな?」

 にっこりとしてテティウスが言うと、女性は青ざめた。

「……まさか!」

 ぱっと奥に駆け込む。彼女のあとをテティウスはとてとてとついて行った。

「ミケル! こっちに来なさい……あなた、市場で仕事をしてきたんじゃなかったの?」

 女性に呼ばれ出てきたのは、テティウスには見覚えのある少年だった。こうしてみると、やはり十代前半というところだろうか。若いというより幼い。

「……野菜を持って帰ってきたの。少し金額が多いとは思ったけど、お祭りだからおまけをしてくれたのだとばかり……ミケル、財布をお出しなさい」
「……俺は、皆、腹を空かせているから……!」

 ミケルと呼ばれた少年は、強く唇を噛み締めていた。

(……気持ちはわかるけど)

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