まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 目の前に食べるものが山のようにあるのに、手を出すことができない。育ち盛りの子供にとって、それがどれだけつらいことか。

「……ええと、せんせい?」
「院長と呼んでちょうだい。ああ、どうしましょう。こんな小さな子のお財布を奪うなんて」
「とられたのは、ぼくじゃないけど」

 事情を説明しようにも、どこまで通じるか……だが、ナビーシャに話させるわけにはいかないし、ここは一つ、自分で頑張るしかないか。

「あのね、ぼくたちがひろばにいたら、こえがきこえたの。きししゃんにミケルがぶつかって、けむりがボーンってなったの。けむりがめにはいったひとは、みないたいっていってたよ」
「ああ、なんてこと。私の力が及ばなかったばかりに……」
「だって、このままじゃ飢え死にするしかないだろ? 今日だって、充分いきわたっているとは……」
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