まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 姉達に挟まれてちょっぴり苦しいけれど、そこは顔には出さないのだ。なにしろ、中身は大人なので。

「テティウスも大きくなったなぁ。そろそろ乗馬の練習を始めるか」

 テティウスを膝に座らせ、そう言ったのは父である。子供達とは違い、父は真っ赤な髪の色をしていた。鋭い目の色は、灰色だ。
 結婚直前に炎系統の魔術を扱う力が極端に伸びた時、色が変わってしまったのだそうだ。そういった事例は珍しくなく、前世では考えられないような髪色の人も存在している。
 年齢より若々しく、今でも女性からのお誘いが絶えないらしい。それを笑顔ですっぱりと切ってのける愛妻家である。

「……ほんとに?」

 姉達にはにっこりとしたけれど、父は半眼でじろりと見ただけ。乗馬の練習って、この小さな身体で本当にできると思っているのか。

「もちろんだとも! そりゃ、大きな馬は無理だろうが、ポニーとかもっと小さな馬もいるぞ」
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