まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 なんて考えつつも、目の前においしいケーキが出されたら、そんなことどうでもよくなってしまう。我ながら単純なものだ。
 それに、気になることはいろいろあるけれど、深く考えたってしかたないとも思っている。
 今回の人生は、まるっとおまけみたいなもの。
 神様が恵んでくれたチャンスだから、思う存分好きなことをしたい。

「魔術芸団か……楽しみだな」
「兄上見たことあるのか?」
「僕はもう、公務に携わっているから」

 まだ十二歳だが、未来の国王であるゼファルスは、少しずつ公務にも顔を出している。成人もまだ先ということで、難しい選択を迫られるような仕事は任されていない。
 ちょっとした会に呼ばれて挨拶をしたり、優れた業績を上げた者に褒美を渡す会に出席して、褒美を渡す係を引き受けたりというのが中心だそうだ。

「この間、出席した茶会で、魔術芸団の公演を見せてもらったんだよ」
「へぇ」

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