まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「はい、わたくしは、魔術芸団『月の光』に客演として参加した魔術師ナビーシャでございます」

 口を開いた女性は、十代後半から二十代前半というところに見えた。
 すらりとした長身、こちらの世界ではあまり見かけない真っ黒の髪。
 つり上がった金色の目は、どこか猫の目を思わせる。もしかしたら、しなやかな身体の動きも猫を連想させるのに一役買っているかもしれない。
 黒いローブに身を包み、赤い宝石のついたワンドを持っている。

「ええと、それで……何か用かしら」
「テティウス殿下について、わたくしの推察をお話しても? わたくし、旅の魔術師として、大陸全土を回っておりましたの。いろいろと珍しい話も耳にしております」
「大陸全土――そんなにお若いのに?」

 母が驚くのも当然だ。彼女はどれだけ年を重ねていたとしても二十代前半に見える。この広い大陸全土を回り見識を深めるのにはあまりにも若すぎる。
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