まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 だが、彼女の肩をすくめた次の発言でその疑問は解消された。

「わたくし、人ならざる者の血を引いておりますので……これでも、それなりに年は重ねておりますのよ」
「まあ、そうだったのね」

 人ならざる者、と聞いて母も納得した様子だった。
 この世界には、人間とは少し違う人種も生きているのだというのはテティウスも知っていた。
 たとえばエルフだったりドワーフだったり、別の大陸にはヴァンパイアが生息している国もあるという。海で暮らす人魚とかもそうだ。彼らのことを人間は「人ならざる者」と呼ぶ。そこには、優れた能力に対する尊敬の念や恐れの気持ちが込められている。
 それらの人種は、人間よりも圧倒的な力を持ち、寿命も長い者が多い。人との間に子をなすこともできるため、時々、それらの血を引く者が現れるという。
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