まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 ここは迷宮の中だというのに、ナビーシャは恐れる気配などまるで感じさせない。長い尾をゆらゆらと揺らし、王宮の庭園を歩いている時とさほど変わりない様子だ。
 右手に丸めて持っている地図には、今頃少しずつ歩いてきた道のりが記されているはずだ。今、自分がどこにいるのかも赤い印で浮き出るという便利仕様。

「まもにょ、でないね」
「たぶん、他の人のところにいるんだわ。迷宮の中に気配があるもの」

 ナビーシャは、他の人がどこにいるのかとか、そういうことまでわかるらしい。
 ナビーシャのおかげで、迷宮から無事に出られるだろう。早く帰って、家族に顔を見せてやらないと。
 迷宮の中では、外と通信するような魔術は使えないというのをテティウスは知っていた。いくらナビーシャが聖獣でもそれは無理なのだという。
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