身代わり婚だったのに、極甘愛で満たされました~虐げられた私が冷徹御曹司の花嫁になるまで~
(昼休み、終わるまでにまだ時間大丈夫かな)

 時間を確認しようポケットから取り出したスマートフォンが着信で震えだす。

 とうとう伯母からかと立ち止まり表示を見ると“宇賀地耀”と表示されている。

「うわっ!」

 先ほどまで話題に上がっていた立派すぎるお見合い相手からだ。

 一瞬なんで番号を知っているのかと思ったが、一昨日車の中で出かける際の連絡用に交換していたと思い出す。

 歩道の端まで高速移動し、ピンと背筋を伸ばし通話ボタンを押す。

「も、もしもし、山崎です」

『宇賀地です。結乃さん、今いいか?』

 電話越しに聞く彼の声は低くて落ち着いていて耳ざわりがいい。

「はい、昼休みなので大丈夫です」

『そうか、早速だが、明後日の日曜日はどうだろうか。食事に行きたい店があるので付き合ってもらいたい』

「えっ?」

 つい、意外そうな声が出てしまっていたのだろう。耀の声が少しだけ低くなる。

『たしか、そういう約束をしたと思ったが』

「そ、そう、でしたよね。もちろん覚えています」

 たしかに付き合ってもらいたい場所があると言われていた。
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