身代わり婚だったのに、極甘愛で満たされました~虐げられた私が冷徹御曹司の花嫁になるまで~
「いや、澄子さんは俺がガキの頃から良くしてもらってたんだ。母ちゃんみたいなもんだからいいんだよ……それより」

 清の表情はこちらを気遣うものになっていた。

「俺、気が動転して、かなり慌てて電話したから結乃ちゃん驚いただろう? ごめんな」

「ううん。そんなことないよ。本当に助かったから」

 結乃はつとめて笑顔を作る。

「結乃、迷惑かけてごめんね」

 布団の中で祖母は神妙な顔で謝る。
 
 医師の診断によると、祖母はしばらくこのまま入院し、リハビリを含めると治るまでに数か月かかるという。
 長丁場になりそうだ。

「いいって。おばあちゃん、焦らずちゃんと治していこうね。毎日お見舞いにくるからね」

「結乃は仕事もあるんだから無理しなくていいよ。それよりあの家に結乃がひとりになると思うとおばあちゃん心配で」

 大丈夫と返事をしようとすると、清さんが思いがけない言葉を放った。

「だったらあの彼氏の所で厄介になればいいんじゃないか?」

「へっ?」

「俳優みたいなイケメンで話し方も落ち着いていたし大人の男って感じだな。さすが結乃ちゃんいい男捕まえたな」
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