悪女の涙は透明らしい
カランカランッ
いつもの客を知らせるドアの鐘を鳴らして入店するが、古本屋の電気は消えたままだ。
疲れた表情で一直線にいつものテーブルに腰かけ、窓の外の景色を横目にテーブルに顔を埋めた。
いつもきっちりしてる康二さんだけど、極たまにお店を閉め忘れちゃうことがあるらしい。
前にも一度閉め忘れてて『不用心だ』と注意したのに、今日は反論できないな...
もう少しここで休んでいたい。
静かな店内で、小さな少女の眠りを妨げる者は誰もいなかった────