恋も仕事も奪われた私ですが、お忍び社長に愛されているようです
私は小さく頬を叩いた。こないだからこれは癖になっていて自分を鼓舞できているようでやる気は高まる。
「へえ、君がやるんだ」
「うわっ」
後ろからのっそりと声が聞こえて驚きの声を上げてしまった。
「美山さんいたんですか」
「ずっと見てたけど」
コーヒーを片手に彼は自分の席に座った。
「小久保が悪いし岡島がリーダーとして責任を取るべき案件だろ。君が頑張る必要はあるのか?」
青いサングラスの向こうはやっぱり何も見えない。
「でも元々企画を考えたのは私ですし、今の担当者も私です。なのでいい方向になるように考えてみます」
「いい方向?」
「はい。小久保さんが提案したものは、現実的に考えて予算も納期も無理です。なので代替案を考えてみます。……それを受け入れてもらえるかはわからないですけど、何も持たずに再度謝罪するよりずっといいはずですから。それにY社の製品本当にすごく素敵なんですよ、いいPRをしたいんです」
私はY社の企画案を開いた。どうにか抜け道はあるかもしれない。
美山さんは私のパソコンを覗き込むと「なるほどな」と呟く。ついでに小久保さんが提案してしまった内容も確認している。
「俺がウエディングイベントの企画の時に言ったこと覚えてるか?」
「システムを頼れ、ですか?」
「俺は天才プログラマーだからな。俺を頼ることを前提に考えろ」
ぶっきらぼうな声が優しく聞こえる。私が目を瞬かせると彼は小さく頷いた。岡島さんみたいに優しい声音でもないし、頭を撫でてくることもしない。だけど、どうしてこんなに心が温かくなるのだろう。
「へえ、君がやるんだ」
「うわっ」
後ろからのっそりと声が聞こえて驚きの声を上げてしまった。
「美山さんいたんですか」
「ずっと見てたけど」
コーヒーを片手に彼は自分の席に座った。
「小久保が悪いし岡島がリーダーとして責任を取るべき案件だろ。君が頑張る必要はあるのか?」
青いサングラスの向こうはやっぱり何も見えない。
「でも元々企画を考えたのは私ですし、今の担当者も私です。なのでいい方向になるように考えてみます」
「いい方向?」
「はい。小久保さんが提案したものは、現実的に考えて予算も納期も無理です。なので代替案を考えてみます。……それを受け入れてもらえるかはわからないですけど、何も持たずに再度謝罪するよりずっといいはずですから。それにY社の製品本当にすごく素敵なんですよ、いいPRをしたいんです」
私はY社の企画案を開いた。どうにか抜け道はあるかもしれない。
美山さんは私のパソコンを覗き込むと「なるほどな」と呟く。ついでに小久保さんが提案してしまった内容も確認している。
「俺がウエディングイベントの企画の時に言ったこと覚えてるか?」
「システムを頼れ、ですか?」
「俺は天才プログラマーだからな。俺を頼ることを前提に考えろ」
ぶっきらぼうな声が優しく聞こえる。私が目を瞬かせると彼は小さく頷いた。岡島さんみたいに優しい声音でもないし、頭を撫でてくることもしない。だけど、どうしてこんなに心が温かくなるのだろう。