恋も仕事も奪われた私ですが、お忍び社長に愛されているようです
立ち上がった美山さんを見て小久保さんは他の女性社員に勝ち誇ったような笑みを向ける。だけど――。
「行くぞ」
その声と同時に、美山さんが私の腕を掴んで引き上げた。
「え」
私の呟きと、周りの女性社員の呟きがハモる。……美山さんは私のことも誘ってくれてるのか。
「吉平さんはお弁当持ってるみたいですよー?」
私が胸に抱いている保冷バッグを目ざとく見つめた小久保さんは、笑顔を私に向ける。空気を読んでね、と言われてるみたいだ。
「今日は私たちだけでいきましょうか。また明日、吉平さんもいきましょ」
小久保さんの明るい声を無視するように、美山さんは私の抱えている保冷バッグを取り上げた。
「これは俺に作ってきた弁当だ」
「な、なんで美山さんに……」
「彼女が彼氏にお弁当を作る、別に普通じゃないか?」
美山さんのとぼけた声にどよめきが起き、女性たちの目線が突き刺さる。美山さんにお弁当を作った覚えはもちろんない。だけどそれについて言及する間も与えずに、美山さんは私の手を取ってずんずんと歩き出した。
「行くぞ」
その声と同時に、美山さんが私の腕を掴んで引き上げた。
「え」
私の呟きと、周りの女性社員の呟きがハモる。……美山さんは私のことも誘ってくれてるのか。
「吉平さんはお弁当持ってるみたいですよー?」
私が胸に抱いている保冷バッグを目ざとく見つめた小久保さんは、笑顔を私に向ける。空気を読んでね、と言われてるみたいだ。
「今日は私たちだけでいきましょうか。また明日、吉平さんもいきましょ」
小久保さんの明るい声を無視するように、美山さんは私の抱えている保冷バッグを取り上げた。
「これは俺に作ってきた弁当だ」
「な、なんで美山さんに……」
「彼女が彼氏にお弁当を作る、別に普通じゃないか?」
美山さんのとぼけた声にどよめきが起き、女性たちの目線が突き刺さる。美山さんにお弁当を作った覚えはもちろんない。だけどそれについて言及する間も与えずに、美山さんは私の手を取ってずんずんと歩き出した。