好きが故に欺いて〜罠に嵌められた私を待ち受ける甘い愛〜
「えー。これはある方からの提供でした。みなさんも聞いたよな? この企画は佐伯さんのものではありません。そうだよな?」
千歳さんは、冷めた視線を佐伯さんに送る。
その冷たい視線にたじろいだ佐伯さんは、ぐっと顔を歪めて顔を伏せた。
「佐伯! お前の口からちゃんと真実を説明しろ!」
声を荒げた千歳さんは、鋭い睨みを効かせる。
さすがの佐伯さんも観念したのか唇をプルプルと震わせ、ゆっくり口を開いた。
「……す、すみませんでした」
初めて聞いたような消え入りそうな声で呟いた。
そんな彼女に容赦なく続ける。
「この企画を考えたのは誰だ?」
「……私じゃなくて、莉乃先輩です」
顔を歪め、悔しそうに言った。
私は目の前で起きている早送りのような現状についていくのがやっとだった。