魔女さんとナイト
 てきぱきと窓を養生し終えた彼は、二杯目のお茶を飲みながら「そうそう、忘れてました」と言った。

「ユリウスです。以後、よろしくお願いします」

 よろしくも何も。
 半ば無理やり握手をされる。
 なんでこの人はこんなにぐいぐい来るのだろうか。

「魔女さんは」
「……魔女さんでいいです」

 どのみち、深く関わるつもりはない。
 誰かに名前を名乗ることは久しく無かったし、これからも名乗らないだろう。
 感じが悪かっただろうな、と思ったが、彼は「じゃあ、魔女さんで!」とからりと受け入れた。
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