魔女さんとナイト
「違いますよ」

 ふいに手を握られて、呼吸が止まる。

「あれは、違います」

 化け物。
 と、彼は言わなかった。

「あなたの手は温かかった。憶えています」

 その手を解きながら、私は言った。

「手の温かい化け物だっていますよ」
「いたとしても、あなたは違います」

 真っ直ぐに目を見られて、思わず逸らす。

「さて」

 ぽんと手を打って、彼は明るく笑った。

「まずは窓を修理しなきゃですね。魔女さんは座っていてください」
「えっ、えっ」
「いいからいいから」
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