不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?
「……まさか、婚約破棄なんて」
「……それについては、私も本当に驚いています」

 アルバルト様の話を聞いた後、私はエムリーを訪ねていた。
 色々と考えたが、彼女と話をする必要があると判断した。これは、ルヴィード子爵家にとっても重大なことなのだから。

「これでも一応、いい関係を築こうと努力していたのですけれどね」
「彼はあなたの本質を見抜いていたようね」
「見抜いていたから、なんだというのですか? それでも婚約破棄するなんて、失礼にも程があるでしょう!」

 エムリーは、アルバルト様からの婚約破棄にひどく怒っていた。
 それは当然といえば当然なのだが、私はどうしても同情できない。エムリーの悪辣さを誰よりも知っている私は、どうしてもアルバルト様の肩を持ってしまう。
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