不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?
「屈辱的です。そもそもの話、あの意気地なしなど私の婚約者として不適切でした。お父様もお母様も、見る目がなかったのですね」
「二人のことを悪く言うのはやめなさい。そもそも二人が、アルバルト様の人となりを知っていたとも限らないでしょう」
「……ふん。愚かな両親の血をお姉様は色濃く継いでいるようですね」

 尊敬するべきお父様とお母様のことを、エムリーは鼻で笑っていた。
 この妹が、両親のことを批判するのは珍しいことだ。それだけ、今回の婚約破棄によって冷静さを失っているということだろうか。

「あなただって、お父様とお母様の子でしょう?」
「私はあの二人のようになるつもりはありません。もっと賢く生きるつもりです。愚直なお姉様には理解できないでしょうけどね」
「自分の利益のために、他者を貶めて傷つけるのが賢い生き方だというの?」
「当り前でしょう。私は私の利益のために生きているのですから」
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