不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?
 色々とあって、私は失念していた。エムリーとのことといい、私は駄目駄目だ。

「別にあなたが気にすることではないだろう。マグナードが誰と親密になるのかは、マグナードが決めることだ。そこに他者の意思が介入するなど、歪なだけだ」
「でも、人間関係を円滑にするためには、多少は気に掛けるべきことだったと思ってしまうのです」
「理解できない訳ではないが、ナルネア嬢の行いはよくわからない。あんなことをして、得になることなどないだろう。あなたがマグナードに事実を伝えたりしたら、それこそ一環の終わりだというのに」

 高い地位にあるためか、ブライト殿下には私とナルネア嬢のやり取りが理解できないのかもしれない。本当に悩んでいる彼を見て、私はそう思っていた。
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