不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?
 ただ同時に、私はブライト殿下に好感を抱いていた。マグナード様もそうではあるが、高い地位にいる人達が善性を持っているというのは、嬉しい事実だからだ。

「まあ、あなたにとっては災難だったな。今回の件で矛を収めてくれるといいのだが……」
「それは……どうでしょうかね?」

 ブライト殿下は、ナルネア嬢が去って行った方向を見つめていた。
 正直な所、彼女からの追及がこれで終わるとは考えにくい。例えブライト殿下に注意された前例があったとしても、それを気にするような人達ではないだろう。

「助けてやりたい所ではあるが、生憎俺もあなたと四六時中一緒にいられる訳ではない」
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