不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?
「警告とは、ご苦労なことだな」
「……ブライト殿下」

 マグナード・ビルドリム公爵令息は、第二王子のブライトに呼び止められていた。
 少しばつが悪そうな顔をするマグナードに対して、ブライトは呆れたような笑みを浮かべる。

「相変わらず甘い奴だな。俺なら、警告なんてしないぞ」
「わざわざことを荒立てる必要はありませんよ。丸く収まるのならその方がいい」

 マグナードは、争いを好まない。その性格は、ブライトもよく理解している。
 それを甘いと思いながらも、ブライトはそんなマグナードのことが嫌いではなかった。同じ高い身分を持つ者として、そういった姿勢は見習いたいと思っている程だ。

「まあ、今回は相手が侯爵である訳だしな……噛みつかれたら、いくらビルドリム公爵家でも厳しい相手だ」
「……その辺りは、伯父様に相談すればいいだけのことです」
「父上に助力を求めるか。まあ、父上はブラコンだからな。弟の息子であるお前には、俺達以上に甘い」
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