【コミカライズ】断罪不可避の悪役令嬢、純愛騎士の腕の中に墜つ。
取り巻き令嬢たちは、まだここでは気が付かず追って来ない。私が本来と違う行動を取ると、ゲーム進行上、どうしてもタイムラグが生じてしまうようなのだ。
いつもあんな風に強制的にゲームは進行されてしまい、私の意志などは全く周囲には通じない。虐めてもいないし虐めようとしていないのに、あんな風に虐めたことになる、もうどうしようもない。
だからと言って、トリエステ公爵令嬢ティルダが悪役令嬢の役目を放棄されることも許されない。お金を貯めて旅に出ようとすると、どんなに周到に準備しようが、絶対に誰かに見つかってしまうし、幾度も試みた脱走は成功しない。
ええ……詰んだ。いわゆる、これが詰みゲー。何をどうしても、私にはバッドエンドしか待っていない。
このまま悪役令嬢として、断罪されてしまうことは避けられない。