エリート消防士は揺るがぬ熱情で一途愛を貫く~3か月限定の妻なのに愛し囲われました~
 自分はいつどうなるかわからない、それでもついてきてほしい。
 それはエゴではないのか? 愛する人に、そんな悲しい言葉を受け入れさせるのか。

「こっちの覚悟は、どうもできそうになくて」
「なるほど。優しい晴馬くんらしいね」

 ほほ笑む渚とは対照的に、佑馬は呆れたようにため息をつく。

「頭でっかちだなぁ、晴馬は。ま、ようするにまだ結婚したい女性に出会っていないんだと思うよ」

 彼は甘い甘い瞳で妻を見つめて、続ける。

「運命の相手に出会えば、頭で考えていることなんて全部吹き飛ぶから。なにがなんでも、自分が幸せにしたいって思うはず」

 佑馬の眼差しは見ているこっちが照れるほどだが、渚にとってはいつものことなのだろう。とくに気にする様子もなく、佑馬に反論する。

「それは佑馬の場合であって、晴馬くんは違うかもしれないわよ」
「いいや、俺と晴馬は本質的にはそっくりだね」
「え~、そうかなぁ」

 結婚から数年経っても、あいかわらず仲睦まじい兄夫婦の姿に晴馬は頬を緩める。

(さて、誰に頼めばいいものかな?)

 リスクは承知で、渚の案に賭けてみようと決める。

 妻役を誰に頼むべきか……悩む晴馬の脳裏にポンと飛び出してきたのは、先日再会を果たしたばかりの美月だった。
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