エリート消防士は揺るがぬ熱情で一途愛を貫く~3か月限定の妻なのに愛し囲われました~
 彼女を心から愛おしいと思っている。けれど、幸せにできる自信はまだ持てなくて。

(こんな状態で告白はできない。ちゃんと、もっと考えてから)

 それが美月に対する誠意だと、誓ったはずだったのに――。

 晴馬の所属しているエアハイパーレスキューはその名のとおり、ヘリを使っての救助活動を専門とする部隊だ。高層ビル火災や、災害時の孤立地域救援などを想定している。

 レスキュー隊員のオレンジ色の制服に身を包み、東京消防庁の真っ赤なヘリで救助に向かう。緊急時に適切な判断と迅速な行動をとれるよう、日々の訓練はかなり過酷なものだ。ヘリの飛行と、そこから狙ったポイントに降下するシミュレーション。さらには水難救助や山岳救助の訓練まで。

 東京消防庁航空隊のヘリの出動件数は、一年間で四百件以上。少なくとも、日に一度はヘリが出動している計算になる。もっとも多いのは病人や怪我人を搬送する救急の要請だが、その日は違った。

「ビル火災だ。すぐに出動し、消火と救助に当たる」

 現場にいた全員の表情が引き締まり、一気に緊張感が増す。一糸乱れぬ動きで、晴馬もヘリに乗り込んだ。
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