エリート消防士は揺るがぬ熱情で一途愛を貫く~3か月限定の妻なのに愛し囲われました~
 訓練を終えて着替えをしていた晴馬のもとに、伊沢が近づいてくる。

「おう、昨日は偶然だったな」
「はい、この辺りならともかく横浜で会うとは思いませんでした」

 伊沢の自宅はたしか東陽町で、横浜方面ではなかったはずだ。

「なんだよ、俺が横浜でデートしてちゃおかしいか?」

 いつものごとく、彼が絡んでくる。

「そんなこと、言ってないじゃないですか。まぁ、ちょっと思ったのは事実ですけど」

 晴馬も軽口を返す。

「そうそう、優紀から伝言。今度、美月ちゃんも一緒にうちに遊びに来ないか?ってさ」
「あぁ、ありがとうございます。……彼女に聞いておきます」

 今夜の話し合いで、誘える空気を取り戻せるだろうか。歯切れの悪い返事になにか察したのか、伊沢が眉根を寄せる。

「なんだ、喧嘩でもしたか?」
「いえ。そういうわけでは……伊沢さん、ひとつ質問してもいいですか?」

 ふと思い立って、晴馬はまっすぐに伊沢の目を見る。

「いざってとき、レスキュー隊員である自分と夫である自分、伊沢さんはどちらを優先しますか? いや、したいと思いますか?」

 突拍子もない質問だったからだろう。彼はパチパチと何度か目を瞬いた。

「なんか、小難しそうな話だな」
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