エリート消防士は揺るがぬ熱情で一途愛を貫く~3か月限定の妻なのに愛し囲われました~
 パールトンホテルに異変が起きたのは、昼の二時過ぎのことだった。お客さまの前ではいつもどおりを装っているけれど、フロントで働く同僚たちの様子が少し変なことに美月も違和感を抱いた。すぐに美月のもとにも、コンシェルジュデスクのチーフがやってくる。美月の直属の上司に当たるチーフは三十代の男性社員だ。

「なにかあったんですか?」

 美月が小声で尋ねると、彼も声をひそめて説明してくれる。

「実はホテルに妙なメールが届いたんだ」
「メールですか?」
「あぁ。いわゆる爆破予告みたいな内容で……」

 想定外の話に美月は目を丸くする。

「えぇ?」
「いや、まぁ。いたずらだとは思うよ。日時とか具体的なことはなにも書かれていないようだし。ほら、最近そういうの多いだろう」

 言われてみれば数か月前にも、どこかの大学にそんな予告があったとニュースになっていた気がする。

「物騒ですねぇ」

 美月が眉をひそめると、彼もうなずいた。

「一応、支配人は警察に連絡を入れると決めたようだ。お客さま対応については、警察の指示を仰ぐということだ」
「承知いたしました」
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