エリート消防士は揺るがぬ熱情で一途愛を貫く~3か月限定の妻なのに愛し囲われました~
「俺も、やっと自分の間違いに気がついた。『全員で必ず帰る』は理想論だと思ってたけど……そんな考え方は甘えだった」

 晴馬の瞳に、力強い光が宿る。

「合言葉は目標でも理想論でもなく〝約束〟なんだ。仲間との、大切な人との……。殉職した先輩たちもきっと、最期の瞬間まで約束を果たすつもりだったはずで……俺もそうしないとダメなんだ」
「うん。私も晴馬に、すべての消防士さんに、必ず帰ってきてほしいと思うよ」
「美月」

 彼は意を決したように、ひとつ大きく深呼吸をした。

 彼の両手が美月の肩をつかむ。それから、まっすぐな眼差しに貫かれた。

「俺は美月が待っていてくれるなら、どんな現場からでも必ず帰ってくる」
「それって……」

 幸福の予感に胸が高鳴る。キュンと締めつけられて痛いほどに。

「消防士になったのも、素直じゃない性格を直せたのも、すべて美月のおかげなんだ。美月は俺の初恋だから……」

(え……晴馬の初恋が私?)

「嘘! 本当に?」

 少し恥ずかしそうに彼はうなずく。

「美月がカナダに発ってしまう前に、本当は伝えたいことがあったんだって言っただろ。ずっと好きでした、そう言いたかったんだよ」

 予想外の真実に美月は目を瞬く。

「なんだぁ。私たち、両思いだったんだね」

 美月のつぶやきに、今度は晴馬が驚愕する。

「どういうこと? そんなの初耳だけど」

 クスクスと笑って、美月も打ち明ける。
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