エリート消防士は揺るがぬ熱情で一途愛を貫く~3か月限定の妻なのに愛し囲われました~
「あのふたりにはある意味、感謝しているから」
「どういうこと?」
「うん。私、恋愛経験が少なかったからさ。男性の頼りがいや優しさをはき違えていたんだよね。省吾さんとのことは、いい勉強になったなと思っていて」

 自分の気持ちを伝えようと美月は丁寧に言葉を重ねる。

「失敗から学んで、今度は晴馬のような素敵な人と恋をできた。無駄じゃなかったんだよね」

「そうだな。考えてみたら俺も、あのふたりには感謝する立場か。美月が失恋していなかったら、俺とこうなることもなかったかもしれないし……」

 晴馬は柔らかく笑む。

(『大事な孫娘の美月が、あのふたりにはものすごく世話になった』とじいさんに伝えるのは……やめておくか)

 美月に影響されて、晴馬のなかにあった意地悪な感情がスッと消えていく。

 由奈のおなかの子に罪はない。美月の思いに免じて、晴馬も彼らの幸せを願うことにした。

「でもさ、赤ちゃん……ちょっと羨ましくなっちゃった」

 はにかむような表情で美月が言う。

「驚いたな。しばらくは仕事!って言うかと思ってた」

 晴馬としては、美月の気持ちを尊重するつもりだった。子どもがいてもいなくても、彼女との結婚生活は間違いなく幸福なものになるだろうから。

「自分でも驚いているんだけど、大好きな人と一緒にいると自然とそういう気持ちが湧いてくるというか……晴馬との子なら、早く会ってみたいな」
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