エリート消防士は揺るがぬ熱情で一途愛を貫く~3か月限定の妻なのに愛し囲われました~
彼らをマネて、晴馬がグッと美月に身体を寄せる。彼と触れ合っている左半身がカチンと硬直する。歩き方もなんだかギクシャクしてしまった。
美月の緊張が晴馬にも伝わったのかもしれない。ふたりとも黙りこくって、下を向いたまま出口まで歩く。あと一歩で園内から出るというところで、晴馬はふいに足を止めた。
「どうしたの?」
背の高い彼を、美月は見あげる。晴馬は大きく深呼吸をひとつして、真剣な顔をこちらに向けた。
「うん。やっぱり正直になろう」
「え、なんの話?」
晴馬のまっすぐな眼差しが美月を射貫く。
「ごめん。俺、さっき嘘ついた。いや、嘘というか……くだらない意地を張った」
話が見えずに美月は首をかしげた。苦笑いで彼が続ける。
「観覧車、本当は乗りたいと思ったんだ」
「え、っと」
思いがけない話題に美月は幾度か目を瞬く。
「美月に拒否されたらかっこ悪いなって、予防線張って逃げたけど……それじゃガキの頃となにも変わらないよな。振られてもいいから、堂々と誘うほうがかっこいいなと思い直した」
美月はじっと、彼の照れたような表情を見つめる。
(晴馬も……乗りたいと思ってくれていた?)
「美月が嫌でなければ観覧車、乗りに戻らないか?」
言って、晴馬は大きな手を差し出す。見えない力に引き寄せられるように、美月はその手を握り返した。
「……うん、私も。晴馬と乗りたいなって思ってた」
美月の緊張が晴馬にも伝わったのかもしれない。ふたりとも黙りこくって、下を向いたまま出口まで歩く。あと一歩で園内から出るというところで、晴馬はふいに足を止めた。
「どうしたの?」
背の高い彼を、美月は見あげる。晴馬は大きく深呼吸をひとつして、真剣な顔をこちらに向けた。
「うん。やっぱり正直になろう」
「え、なんの話?」
晴馬のまっすぐな眼差しが美月を射貫く。
「ごめん。俺、さっき嘘ついた。いや、嘘というか……くだらない意地を張った」
話が見えずに美月は首をかしげた。苦笑いで彼が続ける。
「観覧車、本当は乗りたいと思ったんだ」
「え、っと」
思いがけない話題に美月は幾度か目を瞬く。
「美月に拒否されたらかっこ悪いなって、予防線張って逃げたけど……それじゃガキの頃となにも変わらないよな。振られてもいいから、堂々と誘うほうがかっこいいなと思い直した」
美月はじっと、彼の照れたような表情を見つめる。
(晴馬も……乗りたいと思ってくれていた?)
「美月が嫌でなければ観覧車、乗りに戻らないか?」
言って、晴馬は大きな手を差し出す。見えない力に引き寄せられるように、美月はその手を握り返した。
「……うん、私も。晴馬と乗りたいなって思ってた」