環境が最悪なので推し活してたら推しから溺愛されることになりました
「は? え? え、なに?」
「だからぁ……美知華さん、俺と付き合って下さい」
「うぇっ、ええッ? な、ななっ……あ、これドッキリ? ドッキリってやつか!」
 最近はこういうドッキリ番組もある、ということで自分の心を落ち着けようとした。
 しかしそれを後悔したのは、目の前のアクアが悔しそうな、ちょっと怒ったような表情を浮かべていたからだ。
「ドッキリとか……違うよ。俺はマジで言ってるの」
「……ご、ごめんなさい」
 茶化したわけではなかったが、真剣なアクアからすれば同じようなものだろう。
 美知華はアクアに向けてちゃんと謝った。
 その上で、ごくりと息を呑みながら改めて質問する。
「あの……わ、私に恋人になってって……本気で?」
「だから本気だってば。言っとくけど、俺だってすげー恥ずかしいんだからね!」
「それはあの、伝わってるごめん。ただあまりにもいきなりでビックリしちゃって……」
「俺だってこんな勢い任せに言う気は無かったけど……だって前の撮影の後、美知華さんと会える機会全然無くてさ。それを思ったら、もう今すぐ言いたくて」
「………」
 配信で見るよりも、ずっとずっと熱さを感じた。
 それに今は、推しとしてのかっこ良さよりも、一人の男としてのかっこ良さの方が勝っていた。
「あの……」
「うん!」
 美知華が喋り出すと、アクアは嬉しそうに反応する。
 母性本能までくすぐられ、美知華は胸がキューンとなった。
< 13 / 35 >

この作品をシェア

pagetop