環境が最悪なので推し活してたら推しから溺愛されることになりました
「いい買い物できたー」
ショップバックを手にしたアクアは、上機嫌で美知華と手を繋ぎながら歩いている。
アクアに先導されるように美知華も歩きながら、素敵なバンクルをプレゼントしてもらえたことに、つい顔がほころんでしまう。
だが、それなりの金額をしたバンクルの値段を思い出し、美知華は顔を引き締めてアクアに訊ねた。
「ねえアクアくん。さっき言ってたバンクルの支払いの代わりのものって何? 私、アクアくんにあげれるものある?」
「あるよ、いっぱい。今もまず、俺との時間をもらってる」
「っ……!」
「手も繋いでもらってるし、お揃いのバンクルも許可してくれた。あとは……」
言って、アクアが歩調を緩めて立ち止まった。
そこで美知華は気付く。アクアの後ろには、大きなシティホテルが立っていることに。
「あ、アクアくん……?」
「あとは俺……美知華さんの全部が欲しい」
アクアは、これまでの強気な表情とは打って変わり、視線を反らし、顔を赤くさせて照れながらそう告げた。
ホテルの前でのその発言。つまりそういうことだ。
その意味がわからないほど、美知華も子供ではない。
「……アクアくん」
さっきまでの自信に満ちたアクアとは違い、美知華に名前を呼ばれただけで不安そうな表情を浮かべていた。
美知華の返答次第では泣きそうだ。
そんな、自分の感情に真っ直ぐなアクアを……美知華は改めて愛しいと感じた。
「本当にアクアくんは、私でいいの?」
美知華の問いに、アクアは顔を上げた。
「当たり前だよ!」
アクアは真っ直ぐと美知華を見る。