弟は離れることを、ゆるさない


触れ合う感触が心地良くて、キスだけでこんなに満たされるだなんて知らなかった。


俺の初めてのキスの相手が琴音で良かった。


唇を離しキスの余韻に浸る。琴音の欲情まみれた瞳が、また、俺をその気にさせる。


俺のこと好きじゃないくせに、弟としてしかみてないくせに、勘違いさせるような表情すんなよ。


俺だって、俺のことを好いてくれてるんじゃないかって勘違いする。


「琴音……」


何も伝えることのできない気持ちをキスで伝える。


琴音の唇に舌を当てると体に力が入ったのが分かった。それでも俺は無視して口をむさぼる。


舌と舌が触れ合うのが気持ちよくて、絡み合う唾液が美味しい。


もっと琴音がほしい。もっと溺れたい。


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