弟は離れることを、ゆるさない


葵には悠生くんと恋愛がしたいと言っておいて、当の悠生くんと恋愛する気がない私。


いざ、なにかあったときのために、と、保険をかけてしまっている私は最低だ。


悠生くんはとても良い子なのに。そんな悠生くんを利用するマネをしている私は今後、良い恋愛なんて絶対できない。


「ごめん、葵にお弁当届けてくる!」


紗絵の質問から逃げるように、葵のお弁当を持って葵のクラスまで急いだ。


初めてくる葵の教室。葵がいるかどうか確認するために、窓から中をちらちらと見ていると、

「あれ?二年の先輩?誰に用事っすか?」

私に話しかけてきた人は、葵とよく一緒にいる金髪の派手髪の男の子だった。






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