言葉足らず。
 心底、吐き気がした。

「ねえ、」

 お願いがあるんだけど。

 と、彼女は私の言葉など待つつもりもないという風に、少しだけ私との距離を詰めながら言った。

 ああ、やっぱりか、と、心の中でため息とともに吐き出した。
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